あらすじ
人の不幸があるところに、ふたりは現れる。
ひとりは、藍色の着流し姿に下駄を鳴らして。
片方の手には、扇子が握られ、ポンポンと肩を叩く。
もう片方の手は、懐に。
もうひとりは、白地の着物に紫色の袴姿。
音もなく歩く様子は、異様だが、それに気づく人はない。
腰にソッと指した篠笛が、チラリと見える。
ふたりは、物の怪に取り憑かれた人の前に現れる。
不幸の因果の糸に絡まれた人の糸を断ち切って、物の怪から救うために。
時には、糸を断ち切るだけではなく、組み直して過去さえ変える。
そうして、あの世に行くはずだった人の魂を救う。
なぜ、ふたりは、そんなことを?
それは、ただひたすらに。
愛する相手に、再び、会うため。
冥府で離ればなれになった、愛しい相手に会うためならば。
どんなことでもすると、誓ったから。
今日も、ふたりは、因果の糸に絡め取られた人を救う。
百八つの魂を救うまでは、この仕事は終わらない。
ふたりが救う人々の事情と幸せな結末を、ぜひご覧ください。
*このお話は、『因果の糸、断ち切り申す』の続編です。
連作短編なので、こちらだけでも、お読みいただけます。