あらすじ
ホテル・ジャーニー、705号室。
壁に飾られていた一枚の浮世絵。
歌川広重『東海道五拾三次 原・朝之富士』。
半年前、702号室で不思議な「旅」を経験した俺は、再びホテル・ジャーニーを訪れる。
そして翌朝、目を覚ますと――。
目の前に広がっていたのは、朝日に染まる富士山と、江戸時代の街道だった。
二度目の旅。
そこで出会ったのは、泣きながら父親を探していた小さな少女、お糸。
病気の母を家に残し、たった一人で父を迎えに行こうとしていた彼女を、俺は放っておくことができなかった。
「じゃあ、一緒に探そう」
小さな約束から始まった、短い旅。
そしてその先で待っていたのは、家族の再会と、温かな食卓、そして別れの時だった――。
帰ることのできないかもしれない世界で出会った人々。
けれど、人と人との縁は、時代を越えても消えることはない。
一枚の浮世絵から始まる、時を越えた旅。
『ホテル・ジャーニー』第二話
705号室 ― 原・朝之富士 ―