あらすじ

夜守に、公式の相棒が付いた。宮内庁霊害対策課の特別捜査官・氷室悠司。黒いコートに緩いネクタイ、常に半分閉じた目。あくびをしながら缶コーヒーを飲む男は、一見、戦力に見えない。 案件はミナミの廃ホテル。共通する失踪は、睡眠中に名前を呼ばれた者たち。ロア『呼び寝』は、夢の入口に名前を置き、目覚めたあとの居場所だけを奪う。核は、呼ばれた名前そのものだった。 氷室は眠そうなまま、夜守の重心を言い当てる。最初に呼ばれるのは怒りやすいリーダー——千夜保。次は守られる側の順だ、と。母の声に似た呼びかけが階段の上から落ちてきたとき、氷室は千夜の襟を掴んだ。名前に答えるな。答えた瞬間、体は残って、居場所だけが持っていかれる。 香澄の細い光、鈴木の周波数、山村の札。氷室はほとんど動かない。動かないのに、指示の間だけは正確だった。千夜は怒りで核を殴らず、迷図の夜と同じく道を裂く。電話機が名前を飲み込み、三人分の“居場所”だけが廊下に落ちた。人はまだ戻らない。戻すのは、これからだと氷室は言った。 屋上であくびをする男に、千夜は相棒だと噛みつく。氷室は薄く目を開けて答える。放り出しはしない。ただし、昼寝はする——と。 夜守は五人になった。不屈の先導の隣に、眠りのエリートが並ぶ。次に名前を呼ぶ夜が来ても、千夜は答える前に、その半分閉じた目を見るだろう。

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エブリスタ
エブリスタ2026/09/03
  • 現在の作品いつも眠そうなエリート捜査官