あらすじ
*登場人物*
マリー:没落しかけた子爵家の娘。家計簿と収支整理が得意で、家が決めた結婚ではなく、自分で仕事と居場所を選ぼうとする。
オズアン:竜を操る飛竜便配達人。無愛想だが恋には積極的で、マリーの選択を尊重する。
マノン:島の宿兼食堂の女主人。毒舌だが面倒見がよく、人の縁をつなぐ。
ソフィア:飛竜治療師。島の暮らしを支える薬の定期便づくりに協力する。
ベングト:王国郵便庁の監査官で、マリーの元縁談相手。赤字便局の閉鎖を進めようとする。
*あらすじ*
家の借金を救うための縁談を受け入れる寸前、マリーは雨の日に宛名のない古い手紙を拾う。濡れた紙に浮かんだのは、「空席を怖がらない人へ」という言葉と、竜の島にある便局の求人だった。
縁談を保留し、三か月限定の臨時管理人になったマリーを待っていたのは、雨漏りする建物、郵袋を嫌がる飛竜、誰も来ない窓口。けれど彼女は、代筆、薬の定期便、家族への近況便、求人仲介を始め、見捨てられた便局を島の暮らしに必要な場所へ変えていく。
仕事も、住む場所も、恋も、誰かに決めてもらわない。空席だった椅子に自分の意思で座った令嬢が、人との温もりを知りながら「自分の人生の宛先」を選ぶ