あらすじ
【登場人物】
◆澪奈
住み込みで働く女中。明るく芯が強く、困っている者を放っておけない。七年前、鉄道工事金を盗んで逃げたとされた父の汚名を背負っている。
◆晃季
白鷺支線の工事再開を調査する鉄道技師。安全第一の合理主義者で、無愛想なうえ滅多に笑わない。仕事は完璧だが生活能力には少々難がある。
◆祥汰
晃季の助手。測量や書類整理だけでなく、堅物な晃季と周囲の人々をつなぐ調整役。
◆香凛
澪奈の友人。駅前の茶店で働く、現実的で歯切れのいい頼れる味方。
◆真由子
鉄道へ出資する商家の令嬢。聡明で行動力があり、澪奈たちの調査にも力を貸す。
【あらすじ】
大雨で奉公先の屋根が崩れ、住む場所と仕事を同時に失った澪奈。
雨の中、怪我をした犬を助けようとして斜面から流されかけた彼女を救ったのは、白鷺支線の工事再開を調査していた鉄道技師・晃季だった。
安全第一、合理主義、そしてまったく笑わない男。
成り行きから彼の洋館で住み込み女中として働くことになった澪奈は、十二か条もの共同生活規則と、壊滅的な家事能力に振り回されていく。
そんなある日、洋館から七年前の白鷺支線工事図が見つかる。
そこには、澪奈の父の名前と、水路のそばに残された謎の「二重丸」があった。
なぜ、あるはずの排水路が図面から消えているのか。
父は本当に工事金を盗んで逃げたのか。
止まった鉄路をたどるうち、二人は七年前に隠された真実へ近づいていく。