あらすじ

活字本だけが読書と思い込んでいませんか? 
『「若者の読書離れ」というウソ』の著者がすすめる、新しいかたちの読書論。 日本は読書後進国!? 活字だらけの紙の本だけを読書と思い込んでいませんか? 子どもの活字離れを嘆く前に、日本人の大人が無意識で持つ“せまい読書観”の押しつけが、子どもや人々を読書から遠ざけているのである。 『町の本屋はいかにしてつぶれてきたか』『「若者の読書離れ」というウソ』の著者が、マンガもライトノベル、雑誌、オーディオブック、読み聞かせなども、立派な読書とみなせることを、豊富な海外の統計資料から綿密に分析し、その“せまい読書観”を斬り、今の時代に合った新しいかたちの読書論を提言する。 
 
「活字マッチョ」とは「ほとんど字で書かれた紙の本」が好きな人が、無意識のうちにそうではない人に自分と同じような読書観や読書量、読書のレベルを期待し、求めてしまうことだ。私の造語である。 
本や読書自体がマッチョ、つまり他者に対して攻撃的なのではない。 本や読書のかたちを広げていけば、とどく範囲もずっと広がるからだ。 
(本書「はじめに」より) 
 
 
目次 はじめにー活字マッチョはもうやめよう  第1章 観る読書 欧米で急拡大する児童向けコミック市場 「児童書出版社」が子ども向けコミック市場を開拓した コミックがほんものの読書と認められ、図書館が歓迎し、入れやすくなった理由  ① コミック読書に関する調査 、研究が進展し、ポジティブな効果が確認され、共有された  ②レイティング(年齢区分)制度を確立した  ③選書基準に活かせる賞や書評が整備された  ④ 文字や読書が苦手な子、第二言語として英語を学ぶ読者にとってよい媒体として認められた   ⑤ 絵があったほうがイメージしやすく、学びやすい  ⑥ 受け身ではなく主体的・対話的にビジュアルリテラシーを学べる   ⑦「スクリーンタイムよりはマシ」という思想の広がり アメリカの学校図書館団体による調査結果 第2章 聴く読書 アメリカの公共図書館ではオーディオブック利用者の4分の1は「それしか借りない」  「YouTubeを〝聴く〞」UKの子ども・若者たち  英語圏でのポッドキャストではトゥルークライム、ドキュメンタリー、スリラーも強い 「ラップは読書」   ①発達障害や学習障害当事者であるラッパーとリスナーの言語実践  ② 学校的な価値観とは隔絶した世界で生きる人たちにとどく言葉  ③ 小説よりもはるかに古くからある、詩や演劇、口承文芸の継承者 第3章 デジタル読書 Hi- Lo 「デジタル×やさしい本ほん」  小学生 好奇心を刺激するノンフィクションとキャラクターを好む  中学生 古典をグラフィックノベルで読む   高校生 Hi—Loを読む   ①読み上げ機能やフォント変更が標準装備されている    ②他人に見られない、なにを読んでいるのか知られたくない  本がある場所に行けない、行きたい場所ではない 待てない 雑誌や新聞の代替物ーウェブ小説、デジタルコミック、Substack   ①ウェブ小説  ②マンガアプリ、ウェブマンガ、ウェブトゥーン   ③Substack  第4章 読書推進の拡張 スペイン  オーストラリア  ①視覚的な文法の解読  ②グラフィックノベルの分析  ③マルチモーダルな創作 北欧(スカンジナビア) 第5章 読書観の整理 PISAのなんでも「リテラシー」として取り込むReading一元論 「勉強のための読書」( 課題図書)と「楽しみのための読書」( 自由読書)   読解指導、読書指導、読書教育、読書推進 探究的な読書の強制が、自由読書を阻害する矛盾 「ひとりで読む」と「みんなで読む」  実利でも娯楽でもない読書―教養・人文・良書 規範的な読書論と記述的な読書論ーポストクリティークと「生活読み」  BookTokー批評のHi-Lo化か 韓国のテキストヒップ現象 これまで否定されてきた読書も肯定する  第6章 読書の図り方 識字率の調査しかほぼしない国もある 期間の設定 過去1か月、3か月、1年 「完読」と「一部読了」を分ける 冊数と分数を分ける 「本」をどこまで分けるか 紙の本編 「本」「読書」をどこまで分けるか デジタル編 国際比較から考える  おわりに

連載情報

配信言語
シーモア
シーモア2026/09/03
  • 現在の作品9割の日本人のための「ゆる読書」入門 :“活字マッチョイズム”の終わりと新しい読書推進