あらすじ

十五歳の授与式で、ユール・アーレンスが神から受け取ったのは【遺言】——五等。最低位。 死んで間もない死体に触れると、そいつが死ぬ直前に頭にあった「一文」だけが聞こえる。それだけ。戦えない。治せない。何も作れない。 「墓掘りの能力だな」と父に言われ、彼は男爵家から抜かれ、十一年続く戦線のいちばん後ろ——死体を回収して数える部隊、通称《カラス》に放り込まれた。 だが彼には前世の記憶があった。事故があるたび現場に入り、なぜ人が死んだかを調べ、報告書を書き、そして毎回それを組織に握り潰されて死んだ男の記憶が。 ——事故には必ず原因がある。人が死ぬのは、いつも誰かが手を抜いたからだ。 赤痢で死んだ兵の遺体に触れる。聞こえたのは呻きでも祈りでもなかった。 「あのパン、砂の味がした」 その日から彼は、死体を数えるのをやめて、死体を読み始める。 死人の証言は法廷では一文の価値もない。だから彼は、生きている人間に喋らせる方法を覚えることにした。

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小説を読もう2026/09/03
  • 現在の作品死体の声しか聞こえないハズレスキル【遺言】で、俺は戦場の掃除係に落とされた 〜死んだ兵士は嘘をつかない。