あらすじ
■ジャンル・主な読者価値
・異世界転生×破綻令嬢×通販スキル×冒険者×一話完結ギャグ。
・どんな絶体絶命も「何を食べるか」に変換する、生活の破綻した元公爵令嬢・メシ子。
・ギロチン、水攻め、火あぶり、猛毒、極寒など、本来なら死ぬ状況を食事へ変えてしまう意外性。
・害意ダメージを無効化し、得たポイントで《ハタゾン》からマヨネーズ、めんつゆ、焼肉のタレ、生姜などを取り寄せる明快な能力ギャグ。
・常識外れのメシ子と、生真面目な女騎士ヤッコロの噛み合わないバディコメディ。
・冒険者ギルド、S級魔物、聖女、魔法使いなど、異世界の王道要素を「破綻道」で次々と台無しにしていく楽しさ。
・危機や登場人物を変えるだけで、「今回は何をどう食べ物にするのか」を継続的な期待にできる一話完結型の構造。
■ログライン
処刑されたはずの元公爵令嬢メリィナ――通称メシ子が、害意によるダメージを無効化し、得たポイントで商品を取り寄せられる通販スキル《ハタゾン》を手に入れ、処刑、魔物、猛毒、極寒すら「破綻飯」に変えながら異世界を生きていくコメディ。
■追いかけたくなるメインキャラクター
・メシ子――死地より、味の薄い飯のほうがつらい破綻令嬢
本名メリィナ・シロノワーレ・コマンタレブー。元公爵令嬢にして王太子の婚約者だったが、聖女への嫌がらせや国庫横領などの罪を着せられ、物語冒頭で処刑台へ送られる。しかしギロチンによる害意ダメージを無効化し、通販スキル《ハタゾン》を獲得する。
前世から食生活が破綻しており、命の危機にあっても考えるのは食事のことばかり。ギロチン処刑中に雑草へマヨネーズをかけ、水攻めの水へめんつゆを投入し、火あぶりでは炭化した木片へ焼肉のタレをつけて肉と言い張る。
人助けや英雄願望を第一に行動する人物ではない。巨大魔物を見れば「ポイント源」「あと、肉」と判断し、母親を救う薬草探しでも毒草を自ら食べて選別する。しかし、その異常な行動の結果として周囲の人間を助けてしまう。危険を恐れない強さと、生活に関する判断だけが致命的におかしい価値観が、全エピソードを動かす。
冒険者となった後も、危険な任務を「害意を稼げる場所」と受け取り、最終的にはS級冒険者へ昇格する。 「次は何を食べ、どんな常識を破壊するのか」がそのまま主人公への継続期待となる。
・ヤツネ・コレット・ロシュフォール――破綻令嬢に常識を壊されていく生真面目な女騎士
ロシュフォール公爵家の長女にして、王宮騎士団第三席。誇り高く生真面目な騎士だが、グランドボアに追い詰められていたところをメシ子に救われる。メシ子から名前を縮められ、「ヤッコロ」と呼ばれるようになる。
当初は、全裸で魔物を追い回し、毒草を食べるメシ子の奇行にひたすらツッコむ常識人。しかし、グランドボアから自分を救い、毒を食べながら母親の薬を探してくれたメシ子を本気で信頼するようになる。
問題は、その信頼が次第に間違った方向へ成長すること。「破綻道」を理解しようとした結果、後には生還率ほぼゼロのS級討伐依頼を「メシ子殿が望む死地」と嬉々として持ってくるまでになる。
異世界側の常識人でありながら、メシ子と行動するほど常識の基準そのものが狂っていく過程もギャグの軸となる。
■物語のアイデアと、それが生む面白さ
本作の中核は、「絶体絶命の状況を、食事の問題へすり替える」ことである。
メシ子は、害意によるダメージを無効化する。さらに害意ダメージや、周囲から向けられる恐怖・羞恥などによってポイントを獲得し、そのポイントで通販スキル《ハタゾン》の商品を購入できる。
そのため、一般的な異世界作品なら攻略すべき危機が、メシ子にとっては「ポイント獲得イベント」と「食材・調理環境」になる。
①ギロチン処刑
→死なない
→ハタゾン解放
→マヨネーズを購入
→処刑台の雑草を食べる
②水攻め
→呼吸を奪えない
→水の味が薄い
→めんつゆを投入して飲む
③火あぶり
→燃えても死なない
→炭化した木片からバーベキューを連想
→焼肉のタレをつけて「肉」として食べる
④猛毒草
→毒を食べれば薬草との判別ができる
→毒の刺激を気に入る
→マヨネーズをかけて食べる
「どうやって敵を倒すか」ではなく、「メシ子はこの最悪の状況を何の飯に変えるのか」が毎回の発想勝負になる。
さらにメシ子は問題を解決するつもりで行動していないことが多い。それでも、ポイントや食事を求めて暴走した結果、ヤッコロを救い、母親の薬を見つけ、魔物を倒していく。「本人の目的」と「周囲から見た英雄的結果」のズレが、主人公の強さとギャグを同時に成立させる。
■舞台設定・能力ルール
王国、王宮騎士団、冒険者ギルド、魔法、魔物、聖女などが存在する異世界。
メシ子の能力は、害意によるダメージの無効化と通販スキル《ハタゾン》。最初のギロチン処刑を無効化した際、《ハタゾン》と初回500ポイントを獲得する。
ポイントを消費すると、マヨネーズ、めんつゆ、焼肉のタレ、生姜、カレー粉などの商品が段ボールで配送される。通常の金銭とハタゾンポイントは別物であり、冒険者として金貨を得ても、それ自体をハタゾンポイントとして使用することはできない。
ポイントは害意ダメージだけでなく、周囲の恐怖や羞恥などからも発生する。一方、相手の害意が恐怖へ変化するとポイント獲得が止まることもあり、冒険者ギルドではメシ子が自分を殴らせようと迫った結果、チンピラ側が怯えてしまう。
冒険者には等級があり、S級討伐依頼として銀雪竜のような強力な魔物も存在する。メシ子自身も物語の進行後、S級冒険者へ昇格する。
■第1巻・全5話のあらすじ
公爵令嬢メリィナは、聖女への嫌がらせや国庫横領などの罪によって処刑される。しかし、ギロチンを受けても死なず、通販スキル《ハタゾン》を獲得。マヨネーズを取り寄せ、処刑台で雑草を食べ始める。水攻めにはめんつゆ、火あぶりには焼肉のタレで対抗し、処刑をことごとく食事へ変えた結果、王太子の心を折って王都から追放される。
森へ出たメシ子は、巨大なグランドボアに襲われている女騎士ヤツネと遭遇する。ポイントを稼ぎたいメシ子は、自分を攻撃させようとグランドボアへ突進するが、身体に残っていた炎が燃え移って魔物を丸焼きにしてしまう。焼肉のタレを購入して久々の本物の肉を堪能し、結果としてヤツネの命を救う。
ヤツネ――通称ヤッコロは、病に伏せる母親を救うため、この森で薬草《聖女の涙》を探していた。しかし、見た目が同じ猛毒草《悪魔のヨダレ》との判別ができない。そこでメシ子は草を片っ端から食べ、「健康的な苦味=薬草」「痺れて気持ちいい=毒草」と身体で鑑定。必要な薬草を確保し、毒草はマヨネーズをかけて自分で食べる。
二人はロシュフォール公爵邸へ向かう。特効薬は手に入ったものの、薬効を得るには三日三晩煮込む必要があると判明。母親の身体が冷え切っているのを見たメシ子は、ヤッコロの羞恥から得た500ポイントで業務用おろし生姜を購入し、大量に飲ませる。母親は猛烈な刺激で飛び起き、そのまま奇跡的に回復。ヤッコロは「破綻道」への信頼をさらに深める。
その後、グランドボアの素材を換金するため冒険者ギルドへ。メシ子を侮辱してきたチンピラから害意ポイントが入ると知ったメシ子は、「もっと蔑め」「殺す気で殴れ」と逆に迫る。恐怖したチンピラは土下座し、ギルド中の荒くれ者までメシ子を避けるようになる。素材の換金と冒険者登録を済ませ、メシ子はより危険な依頼へ挑める冒険者となる。
■各話のヤマとオチ
第1話
ヤマ:ギロチン、水攻め、火あぶりという処刑三連発を、マヨネーズ、めんつゆ、焼肉のタレで次々と食事へ変える
オチ:王都を追放された森で、巨大ボアに襲われ「くっ……殺せ」と叫ぶ女騎士を発見。「野生のくっころ?」
第2話
ヤマ:ポイント欲しさにグランドボアへ突撃したメシ子の炎が燃え移り、そのまま丸焼きにする
オチ:焼肉を満喫する全裸のメシ子に、女騎士が「そっちの方が大丈夫かぁぁぁッ!?」
第3話
ヤマ:《聖女の涙》と猛毒《悪魔のヨダレ》を、メシ子が実際に食べることで高速選別する
オチ:入手した猛毒草へマヨネーズをかけ、「味のアウフヘーベン」と恍惚するメシ子
第4話
ヤマ:三日三晩かかる薬を待てず、冷え切ったヤッコロの母へ業務用生姜チューブを大量投入
オチ:母親が本当に回復し、メシ子自身が「マジで治ると思わなかった」
第5話
ヤマ:ギルドのチンピラから害意ポイントを得ようと、自分を殴るよう迫った結果、逆に相手を泣かせて土下座させる
オチ:冒険者登録を完了。危険な依頼を受けられる新しい活動の場を手に入れる
■サブキャラクター
ギン子
S級討伐対象《銀雪竜》。絶対零度のブレスを放つ強力な竜だが、メシ子が使ったカレー粉の香りに魅了される。美女の姿へ変身することもでき、最終的にはメシ子を主と認めて同行する。名前は銀雪竜の「ギン」とメシ子の「子」を取ってヤッコロが命名する。
マリアンヌ
光の聖女。メリィナが虐めていたとされる相手だが、本人はメリィナから受けた仕打ちを「ご褒美」と受け取っており、王都を追放された彼女を自ら追いかけてくる。メシ子となった後も強烈な好意を向け、そのまま一行についていく。
リゼルダ
大量の本や物に埋もれた研究室で暮らす魔法使い。メシ子が目から光を出す魔法を見て既存の魔法体系から外れた現象に興味を示す。後には、メシ子の「肉の内部の水分を直接温めたい」という要望から、禁忌の箱《デンシ=レンジ》へつながる術式を検討する。
■連載展開
基本は一話完結、または数話単位で、「新しい危機・場所・人物」と「新しい破綻飯」を組み合わせて展開する。
冒険者となったメシ子は、より危険な依頼へ活動範囲を広げていく。S級討伐対象の銀雪竜と戦い、カレー粉をきっかけにギン子を仲間へ加え、その後自身もS級冒険者へ昇格する。
さらに、かつてメリィナに虐められていたはずの聖女マリアンヌが実は熱烈な崇拝者だったことが判明し、そのまま同行。魔法使いリゼルダとの出会いからは、現代の食生活を異世界魔法で再現する方向にも破綻が拡大していく。
話が進むほど、最初は「処刑台でマヨネーズを食べるだけ」だった破綻が、S級魔物、王宮、聖女、魔法研究、戦場へと広がっていく。一方で中心にあるのは一貫して、「目の前の危機をメシ子が食事の問題として受け取り、常識外れの方法で解決する」というシンプルな構造である。
長期的な謎を追う作品ではなく、メシ子とヤッコロを中心に仲間と活動範囲を増やしながら、次はどんな異世界の王道シチュエーションを、どんな破綻飯で台無しにするのかを積み重ねていく連載とする。