あらすじ
千年前、空を覆った巨大隕石が大陸を五つに引き裂き、太陽と対をなす「ツキ」を空から消し去った。
厄災によって人々の生活はすさみ、少ない食料を奪い合い争いの日々が続いた。
そんな中、人々は空気中に満ちる五行の気を手のひらで操る「錬術」を身につけ、豊かな生活を取り戻し、厄災以来続く異常現象に立ち向かいながら暮らしている。
畑野大陸の片隅、丹後の街。守人・伊須やすべは、気術も使えないくせに師匠のコネで隕石から人々を守る守人になった「足手まとい」と陰口を叩かれる、めんどくさいが口癖の少年だ。
そんなある日、空の彼方から一人の少年が墜落してくる。
「よし、二人で月をとり戻しに行くぞ!」
太陽のように眩しく、何を考えているか分からない――鐳谷みなりと名乗るその少年は、初対面のやすべに突然そう告げる。木・火・土・金・水、あらゆる錬術を自在に操るみなりと、気術は使えないが誰よりも「気の流れ」を視ることができるやすべ。凸凹すぎる二人の出会いが、平穏だった日常を静かに揺らし始める。
裏切り、決別、そして再会。やがて物語は5つに割れた大陸すべてを巻き込む一大事件へと変わっていく。
けれど、彼らがまだ知らないことがある。
「月を取り戻す」というみなりの使命――その先に待っているのは、本当に希望だけなのか。
英雄は、世界を救うために厄災となる。
これは、まだ誰も知らない「終わりの始まり」の物語。