あらすじ
本作品には異世界転生〝失敗〟要素が含まれます。
転生した主人公が現代知識で無双するのではなく、憑依されかけた現地主人公が現代知識を得て利用する話です。
妖精と人間が共生する氷の国、フロスタウスト。
国の南部は比較的寒冷ではあるものの、人の居住に適した土地──しかし、北に向かえば向かう程、雪と氷点下の気温が待ち受けている。
一年のうち三分の二が冬である極寒の地、国の最北端に存在する人間の集落と呼ばれた寒村に生まれた少女・ヴォラウストは、五歳になった年の冬、全てを失う。
天涯孤独の身となったヴォラウストは、同じように身寄りのない子供たちが養育されている施設、フリグ養護院に迎え入れられることとなる。
しかし文字通り毛色の違う少女は、養護児たちの中に上手く馴染むことができず孤立してしまった。
そんな中で六歳の誕生日を迎えた彼女に耐え難い苦痛が襲いかかる。
自分ではないものが体の中に入り込もうとしている──同時に意識が押し潰されてしまいそうな感覚に、ヴォラウストは懸命に抗った。
体を奪われることを拒絶し、転生者──もしくは憑依者の知識を奪い、そうして肉体を賭けた戦いを制する。
ヴォラウストが得たのは、彼女の生きる国とは──世界すら異なる文明が育んで来た知識。
己の知性、奪い取った知識、膨大な量の魔力、そして生きるためには全てを利用するという貪欲さ──利己的な愛を以て、少女は氷の国を駆け上がる。
これはやがて王配に至る少女の、愛の物語。
※同名義で小説家になろうに掲載しています。