あらすじ
■ジャンル・主な読者価値
・異世界墓地×怪異攻略×専門職無双×ラブコメ。
・世間では不吉な墓守の少年が、大聖女や王国最強の騎士にも解決できない「死者の問題」を日常業務として処理する。
・怪異ごとのルール、死体に残った行動、死者の心残りを読み解き、戦闘力ではなく墓守として圧倒する専門職無双。
・危険な死霊、巨大怪異、喋る黒猫、伝説の剣聖などが墓地の日常に存在する、怖さと親しみやすさを往復する怪異コメディ。
・死霊を憑依させることで、猫耳・感覚強化から剣聖の巨躯と剣技まで姿と能力が変化する漫画映えする能力ギミック。
・幽霊が怖い大聖女、王国最強の女騎士など、高位の女性たちから墓守主人公が認められていく承認型ラブコメ。
■ログライン
人々から不吉がられる十五歳の墓守・クロウが、死霊や怪異のルールを誰よりも深く理解する知識と、死霊を自らへ憑依させる力を使い、大聖女や王国最強の騎士にも解決できない怪異事件を「墓守の仕事」として片づけていく異世界怪異ファンタジー。
■追いかけたくなるメインキャラクター
・クロウ――「死者のことなら誰にも負けない」十五歳の墓守
王都北共同墓地で働く少年。墓守という職業ゆえ街では不吉がられているが、墓地では巨大怪異《夜渡り》の進路を提灯で管理し、危険な死霊の禁忌を把握し、死体が起こす異変にも即座に対処する。
剣なら剣聖、聖術なら大聖女の方が強い。しかし「なぜ死体が動くのか」「死者は何を残したのか」「どうすれば怪異を鎮められるのか」という問題では、クロウの知識と経験が圧倒的に上回る。
本人に英雄願望はなく、墓荒らしが死霊に襲われれば「だから触るなと言ったのに」、死王が墓地へ国を作ろうとすれば「ここ墓地なんで」と追い返す。あくまで墓地の平穏と、死者が問題なく眠れる状態を守ることが行動原理である。
また、協力する死霊を自分へ憑依させ、その特徴や能力を引き出せる。黒猫ネモなら猫耳と猫の目が現れ死者の痕跡を追跡でき、剣聖ガドヴァルドなら身体そのものが巨漢化し、膂力と剣技を再現する。死霊との出会いが、そのまま新しい能力とビジュアルへつながっていく。
・アリア=セレスティア――人型幽霊だけは怖い、規格外の大聖女
王国最高位の聖女。巨大アンデッドを一撃で消し飛ばすほど強いが、人間の姿をした幽霊だけは極端に怖い。
第1話で墓地の怪異領域へ迷い込みクロウと出会い、以降は「幽霊克服の修行」を口実に墓地へ通うようになる。
死体を傷つけずに攻撃してほしいと言われ、最低出力の聖術で大木と石壁をまとめて貫いて泣くなど、精密な処理が苦手な力押し型。アンデッドには容赦がなく、霊体の死王へ反射的に投げナイフを投げる一方、幽霊を見るとクロウへ抱きつく。
社会的には遥かに格上の大聖女が、墓地ではクロウを頼るという逆転した関係が、コメディと主人公承認を担う。
・ネモ――喋る黒猫の死霊
クロウと行動する黒猫姿の死霊。普段は普通の猫のように触れるが、必要な時には物をすり抜け、人の言葉も話す。
クロウへ憑依すると、クロウに猫耳と猫の瞳が現れ、死者が残した痕跡を追跡できる。
マスコット、ツッコミ役、憑依能力の最初の実例を担う。
■物語のアイデアと、それが生む面白さ
本作の中核は、「怪異を倒す」のではなく、「墓守として性質を理解し、正しく処理する」ことにある。
墓地の死霊や怪異には、それぞれ固有のルールがある。決まった道を歩く《夜渡り》、花を荒らされると暴走する女死霊、死後も生前の行動だけを繰り返す「残留行動」など、問題ごとに攻略法が異なる。
一つの事件で、
①怪異のルールや死者に何が起きたのかを探る
②クロウが墓守の知識で、他の強者には見えない解決法を見抜く
③大聖女や騎士団など社会的な強者が、その専門性を認める
という三段階の読者価値を作る。
第3話では、毎晩二度だけ棺を叩く少女の「残留行動」を追い、弟へ渡せなかった誕生日プレゼントへ辿り着く。
第5話では、歴代騎士団長の強い肉体を継ぎ合わせた騎士キメラに対し、「強い腕を六本つけても、一人一人が何千回も鍛えた動きまでは繋がらない」と見抜き、一撃で術式を破壊する。
戦闘力の大小ではなく、「死者をどれだけ理解しているか」で勝つことが、本作固有の無双になる。
■舞台設定・能力ルール
舞台は王都北共同墓地。一般市民から貴族、歴代騎士まで多くの死者が眠る巨大墓地で、一部は怪異領域と重なっている。
墓地の怪異は一定のルールに従っており、禁忌を破る、進路を塞ぐ、墓を荒らすなどの行為によって危険化する。クロウはそれらを討伐対象ではなく、日常的な管理対象として把握している。
死者には、生前に繰り返した行動が肉体や場所へ残る「残留行動」がある。剣士の亡骸なら、魂がなくても生前の剣技を繰り返す場合がある。
また、クロウは協力する死霊を自分へ憑依させ、その死霊の能力や身体的特徴を引き出せる。ネモなら感覚強化、ガドヴァルドなら巨漢化と剣技の再現が可能。ただし身体の主導権は常にクロウ自身が取り戻せる。
■第1巻・全5話のあらすじ
十五歳の墓守クロウは、王都北共同墓地で死者と怪異を管理して暮らしている。街では不吉がられているが、墓地では巨大怪異《夜渡り》さえ彼の合図に従って進路を変える。
第1話では、人型幽霊が苦手な大聖女アリア=セレスティアが墓地の怪異領域へ迷い込みクロウと出会う。墓を荒らした誘拐犯が危険な女死霊の禁忌を破って自滅する一方、クロウは怪異を日常的に管理していることを見せる。以降、アリアは「修行」と称して墓地へ通うようになる。
第2話では、死王ザルバドールが墓地を新たな王国にしようと現れる。アリアの攻撃にも耐えて巨大化するが、《夜渡り》の進路を塞いだため一撃で叩き潰され、小さな霊体のまま墓地の外へ運ばれる。世界的な脅威すら、クロウの墓地ではルールを知らない新参者にすぎないことを示す。
第3話では、亡くなった少女ミナの棺が毎晩二度だけ鳴る事件を扱う。クロウはネモを憑依させ、死者の痕跡を追跡。弟エミルへ渡すはずだった誕生日プレゼントの望遠鏡を発見し、喧嘩別れした姉弟の心残りを解決する。
第4話では、騎士区画の亡骸が一斉に起き上がり、王国騎士団本部へ向かう。現騎士団長リィサ=ヴァンデールは歴代騎士団長を次々と制圧するが、最後に現れた初代騎士団長・剣聖ガドヴァルドの亡骸には敗北。さらに亡骸はアリアの聖術すら剣で斬る。
一方、ガドヴァルド本人の霊は「一度、自分自身と戦ってみたかった」と大喜びし、クロウへ憑依する。
第5話では、ガドヴァルドを憑依させたクロウが初代の剣技を再現する。細身の身体では力負けするが、ガドヴァルドの力によって身体まで巨漢化。リィサが編み出した《獅子衝斬》を一度見ただけで借り、亡骸側のガドヴァルドと正面から打ち合って一刀両断する。
そこへ小さな霊体となったザルバドールが再登場。歴代騎士団長の強い部位だけを継ぎ合わせ、六腕の巨大騎士キメラを作る。
ガドヴァルドは再び戦おうとするが、クロウは彼を身体から追い出し、剣をリィサへ返してショベルを持つ。
クロウは、継ぎ合わせただけのキメラには一人の騎士として積み上げた「残留行動」がないと見抜く。「強い腕を六本つけても、この人たちみたいにはなれない」「死の王のくせに、そんなことも知らなかったの?」とザルバドールを一蹴し、六本同時攻撃をかわして術式の中心をショベルで破壊。キメラを一撃で分解し、最後は「墓荒らしは禁止」とザルバドールを空の彼方まで打ち飛ばす。
事件後、リィサは騎士団を代表してクロウへ礼を述べた直後、「私を、お嫁さんにしてください」と突然求婚。幼い頃から「自分より強い王子様のお嫁さんになる」と決めていた王国最強の女騎士が、墓守の少年を選ぶという最大級の評価逆転で第1巻を終える。
■各話のヤマとヒキ
第1話「墓守と聖女」
ヤマ:墓を荒らした誘拐犯が危険な死霊のルールを破って自滅し、クロウだけが怪異を当然のように管理する
ヒキ:大聖女アリアが「幽霊克服の修行」と称して墓地へ通い始める中、死王ザルバドールが現れる
第2話「死の王」
ヤマ:巨大化したザルバドールを、《夜渡り》が進路妨害として一撃で叩き潰す
ヒキ:毎晩二度だけ音を鳴らす少女の棺が持ち込まれる
第3話「棺を叩く娘」
ヤマ:ネモを憑依させて死者の痕跡を追い、亡き少女ミナが弟へ渡せなかった誕生日プレゼントを届ける
ヒキ:騎士たちの亡骸が一斉に墓から起き上がる
第4話「剣聖の亡骸」
ヤマ:王国最強のリィサでも勝てない初代剣聖ガドヴァルドの亡骸が、アリアの聖術まで斬る
ヒキ:自分自身と戦いたいガドヴァルドがクロウへ憑依する
第5話「剣聖の魂」
ヤマ:ガドヴァルド同士の《獅子衝斬》を経て、最後はクロウ自身が墓守の知識で歴代騎士キメラを一撃分解する
ヒキ:王国最強の女騎士リィサがクロウへ突然求婚する
■サブキャラクター
・リィサ=ヴァンデール
現王国騎士団長。「王国最強の剣士」と呼ばれる女性。歴代騎士団長を無傷で制圧し、自ら編み出した《獅子衝斬》はガドヴァルド本人にも認められる。
幼い頃からの夢は「自分より強い王子様のお嫁さんになること」。第1巻ラストでクロウへ求婚し、社会的承認とラブコメを担う。
・ガドヴァルド
初代騎士団長にして伝説の剣聖。「戦いに姑息も何もない。勝てばいい」と考える豪快な戦闘狂で、死後の願いは「自分自身と戦うこと」。
クロウへ憑依し、身体を巨漢化させて自らの亡骸と戦う。純粋な戦闘力では圧倒的だが、死者の問題そのものはクロウに任せる役割。
・ザルバドール
自称「死王」。高度な死霊術を使うが、死体を強い部品として見る発想ゆえ、クロウには毎回本質を見抜かれる。
第2話では《夜渡り》に排除され、第5話では歴代騎士キメラを作るも一撃で解体される。大物感と小物ギャグを両立する再登場可能な敵役。
・ミレイ
墓地にいる危険な女死霊。罪悪感や後ろめたさを増幅して相手を精神崩壊させる。墓の周囲の柵や花を荒らすと現れる。
クロウの命令で動く存在ではなく、彼が性質とルールを把握して管理している怪異の代表。
・《夜渡り》
二階建ての家ほど巨大な人型怪異。毎晩決まった道を歩き、進路を塞ぐものを力ずくで排除する。
クロウの提灯には反応し、第2話ではザルバドールを一撃で叩き潰す。本作の「大怪異すら墓地の日常」というスケール感を象徴する。
■連載展開
基本は、一話完結または二~三話の中編で、墓地へ持ち込まれた死の問題を解決する。
棺、死体、死霊、呪い、墓荒らし、古い伝承など毎回異なる怪異を提示し、そのルールや残留行動をクロウが読み解く。感動、ホラー、ギャグ、バトルの比率を事件ごとに変えながら、「最後は墓守にしかできない解決」を共通の読者報酬にする。
同時に、協力する死霊が増えるほど憑依できる能力も増えていく。猫、剣聖だけでなく、魔術師、盗賊、異種族など、死者の生前の特徴を新しい能力とビジュアルへ展開できる。
日常では、幽霊克服を名目に墓地へ通うアリア、黒猫ネモ、墓地の死霊たちとの生活を描く。第1巻以降はリィサも求婚者として加わり、大聖女と王国最強の女騎士という高位女性二人から墓守クロウが評価されるラブコメへ広げる。
長期的には、墓地の古い区画や王国成立以前の死者、クロウがなぜ死霊を憑依させられるのかといった謎を縦軸として開示していく。
どれほど大きな事件になっても、クロウにとっては最後まで「死者がきちんと眠れるようにする、墓守の仕事」である。