あらすじ
「離婚を前提に、結婚してください」
アスティリア王国の名門、リュミエール公爵家の嫡男フェルナンド。
類まれな美貌と家柄ゆえ、幼い頃から女性たちに囲まれ続けてきた彼は、恋愛にも結婚にもすっかり辟易していた。
そんな彼が目を留めたのは、ヴァレンティン男爵家の令嬢マリアネラ。
彼女だけはフェルナンドの顔にも爵位にも興味を示さず、公爵夫人になることすら望んでいない。
やがて家の跡継ぎを必要としたフェルナンドは、彼女に一つの提案をする。
男児が生まれれば、リュミエール家の跡取りとする。
そして役目を終えた二人は、離婚する。
愛情は不要。
必要なのは、家を存続させるための契約だけ。
条件を受け入れたマリアネラと、結婚に愛など必要ないと考えるフェルナンド。
利害の一致から始まった二人の結婚生活は、当然、何事もなく終わるはずだった。
――けれど。
一緒に過ごす時間が増えるほど、二人の間には少しずつ、契約書には書かれていなかったものが増えていく。
離婚することが決まっている夫婦の、少し不器用な契約結婚のお話。