あらすじ
世界には、行ってはいけない場所などない。
空の上。海の底。地図の外。壁の向こう。
誰も歩くことを想定していない場所も、瑠倫ちゃんにとってはだいたい観光地だった。
空を飛び、水中を駆け、常識外れの跳躍で山を越え、気に入った場所には勝手に転移地点を残す。
そのうえ彼女の倉庫には、旅の果てで集めた希少な装備、奇妙な道具、ペット、爆薬、用途すら忘れた品々が山ほど眠っている。
そんな瑠倫ちゃんが求めているのは、世界の真理でも最強の称号でもない。
まだ見たことのない景色。
まだ試したことのない行き方。
そして、あとで笑って話せる面白い思い出。
今日も誰かを巻き込みながら、最短経路を無視して世界を遊び尽くしていく。
だが、空も海も世界の端も越えていった先で、瑠倫ちゃんは少しずつ見つけ始める。
本来なら、誰からも見えるはずのない景色を。
これは、どこへでも行ける旅人が、
世界の表も裏も、そのさらに向こう側まで観光してしまう物語。