あらすじ
25歳、傭兵歴7年。それでもユアン・クロウは、いまだD級だった。
剣も魔法もそこそこ。解体の腕だけはいい。
そして生まれつき持っている固有スキル《スキル核作成》も、倒した魔獣を用途不明の結晶へ変えるだけ。
しかもスキルを使えば、売れるはずだった肉も皮も牙も魔核も、すべて消えてしまう。
――要するに、役立たずの能力だった。
そんなユアンの日常は、いつものダンジョン探索で一変する。
本来いるはずのないSS級魔獣に襲われ、仲間を失い、たった一人で逃げ続けた先、古代遺跡で拾った謎の指輪が、ユアンの持っていた結晶を吸収した。
そして現れたのは、魔獣の能力《瞬駆》。
役立たずだと思っていた結晶には、倒した魔獣の力が眠っていたのだ。
だが、魔獣を力に変えれば、その死体から得られる素材はすべて失われる。
新しいスキルを取るか、素材を残して武器や防具を作るか、それとも売って金にするか。
しかも、手に入れたスキルを同時に使えるのは3つだけなので、手元にある力をどう組み合わせるかを考える必要あり。
それでもユアンには、戦場を観察し、使えるものを組み合わせ、生き残る方法を見つける。
静かなA級魔獣狩りシキナ、古代の指輪から現れた銀灰色の狼ルゥ、長年の友人ノアたちとともに、万年D級だった男は少しずつ自分だけの戦い方を作っていく。
これは最強の力を手に入れた男の物語ではない。
役立たずだと思っていた力を使いこなし、もう一度上を目指す魔獣狩りの物語。