あらすじ
中学三年生の頃から、顔も本名も知らないまま一緒に作品を作ってきた二人。
脚本を書く「先生」と、その物語に声を吹き込む「ミナ」。
二年近く続いてきた関係に、不満はなかった。
――初めて直接会うことになるまでは。
待ち合わせ場所は、山形駅。
そこで山辺蓮を待っていたのは、同じクラスでありながらほとんど話したことのない女子、高瀬澪だった。
教室ではいつも人に囲まれている山辺。
人の視線が苦手で、いつも一人で本を読んでいる高瀬。
学校では交わることのなかった二人は、画面の向こうでは二年間も作品を作り続けていた相棒だった。
正体を知ったことで、それまでネットの中だけにあった創作活動は、少しずつ二人の日常へ入り込んでいく。
そしてやがて、山辺が胸の奥にしまっていた「小説家」という夢と、高瀬が誰にも言えずにいた「声優」という夢も動き始める。
他人の物語なら、いくらでも言葉にできる。
誰かの台詞なら、どんな感情だって声にできる。
なのに、自分自身のことになると、どうしてこんなにも難しいのだろう。
「先生」と「ミナ」。
「山辺」と「高瀬」。
地方の二人の関係が重なっていく、青春創作ストーリー。
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