あらすじ
明治二十七年。
結婚式の日、幸せの絶頂にいた花嫁・静香は、白無垢姿を一枚の肖像画に残した。
しかし、その美しい花嫁には誰にも知られない悲しい秘密があった。
夫に裏切られ、愛する人からも世間からも見放された静香は、深い絶望の中で命を落とす。
残されたのは、あの日のまま微笑む花嫁の絵だけだった。
やがて、その肖像画は人から人へと渡り、手にした者たちの前に不思議な出来事が起こり始める。
夜ごと夢に現れる白無垢の花嫁。
静かに語られる、たった一つの願い。
「約束を忘れないで……」
時を越えて残された花嫁の想いは、呪いなのか、それとも愛なのか。
一枚の肖像画に秘められた、哀しくも美しい花嫁の物語。