あらすじ
華やかな従姉の失敗を埋めるため、伯爵家へ送られた私、ミルヤナ。次の晩餐に失敗すれば追放すると叔母に告げられるが、客の利き手や聞こえやすい側、避けたい話題まで席札に語らせる私の癖は、「幼稚でみっともない」と笑われていた。
ところが任されたのは、九年間も同席を拒んできた三家二十四名の合同晩餐。七日かけて整えた席札を何者かに入れ替えられ、三家全員が退席しようとする中、私が頼れるのは、あの「返礼順の席札芝居」だけだった。
笑った人々が言葉を改め、私を使い直そうとする叔母には門が閉ざされる。そして宴のあと、私の名を記した一席だけが食卓に残る――誰の小さな不便も数から外さない令嬢が、毎晩帰れる居場所を得るお話。