あらすじ
勇者は世界を救う。
異世界から召喚された勇者。
神に選ばれた転生者。
彼らは幾度となく魔王を討ち、国を救い、
人々に希望を与えてきた。
だが、勇者が去った後も世界は続く。
異世界の価値観は時に秩序を乱し、強大な力を持つ勇者は国家そのものを揺るがした。それでも人々は、危機が訪れるたびに勇者を求め続ける。
そんな世界で、勇者召喚を禁忌とする国家
――フローランティア帝国――
その第二皇女、シア・フローランティアは
異世界人を狩る戦姫として恐れられていた。
しかし、彼女が憎むのは異世界人ではない。
力を得た途端、自らを「主人公」と思い込み、この世界の歴史も、人々の想いも理解しようとせず、自らの正義を押しつける傲慢さだ。
「ここは貴様らの世界ではない」
神の力に頼らない。
勇者に頼らない。
人類は、人類の力だけで立つべきだ。
そしてシアの思想の先にはある大きな目的があった。
かつて大陸を統一した、滅びし旧統一帝国の再興。
異世界人に救われる時代を終わらせ、
この世界の人類達の手で世界の未来を掴むために。
だが、大陸を再び一つにすることは、同時にシア自身が新たな支配者となることを意味する。
人類の自由を求める彼女の理想は、果たして救済なのか、それとも新たな支配なのか。
異世界人が世界に蔓延り活躍する時代、
その常識を覆すため――。
紅の皇女は、今日も戦場へ向かう。