あらすじ

昭和末期。埼玉・川口と東京・赤羽を隔てる荒川は、単なる県境ではなく、少年たちにとって目に見えない絶対的な「境界線」だった。 主人公・理彦(ただひこ)は、ラグビーの厳しい練習に明け暮れる生粋のスポーツ少年。自身の鍛え上げた肉体に絶対の自信を持っていた彼は、ある夕暮れの荒川土手で、朝鮮高の不良グループに囲まれる。スポーツのルールなど一切通用しない純粋な暴力。たった二千円の昼食代とともに、理彦の「強さ」という自負はあっけなく泥水の中へ踏みにじられた。 口の中に広がる血と鉄の味。アスファルトに這いつくばる屈辱。 ルールなき世界への復讐を誓い、夜の赤羽や十条の路地裏を徘徊し始めた理彦は、敵の不良グループのリーダーの妹・スヨンと偶然出会ってしまう。 甘い香水と、夜の街の喧騒。決して交わってはいけない「境界線の向こう側」の少女との出会いは、理彦の青い衝動をさらに複雑な泥濘へと引きずり込んでいく。

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カクヨム2026/09/03
  • 現在の作品泥濘のノーサイド~荒川境界戦線・198X~