あらすじ
「真実の愛を選ぶ! 愛なき政略結婚など拒絶する!」
祝宴の真っ只中、王太子エドワルドが突然宣言した婚約破棄。
大広間が静まり返る中、王宮内部監査局の次席監査官レティシア・ヴァルハルトは、淡々と手帳にペンを走らせる。
「承知いたしました。損失計上、金貨四千五百枚。……本件により、累計七件目です」
感情ではなく制度で国を守る監査局にとって、王太子の「運命の恋」はただの債務不履行。
過去の破棄により橋の補修は凍結され、小麦価格は跳ね上がり、港湾使用権すら失った。
積み重なった国家損失――金貨三万枚。
「国家の正しさとは何だ」
「国家とは、継続でございます」
理想を語る未熟な王太子の暴走を、数字と台帳だけで追い詰めていく冷徹な監査官レティシア。
やがてその過酷な仕事ぶりと冷徹な手腕は、隣国の若き皇帝の目にとまり――?
愛や情熱では腹は膨らまない。
感情ではなく数字と制度で王国を守り抜く、硬派で爽快な政治・監察劇!
※短編版の連載化作品です。