あらすじ

日がな退屈な日常を送っていた 野下偲(30代)は目が覚めると 少女の肉体に入ってしまっていた その少女の名前は野下しのぶ 奇しくも2人は違う世界線ではあるものの同じ「しのぶ」という存在だったのだ。 幼なじみの深見紗々美(ふかみ さしゃみ) 彼女の献身的な性格にしのぶは助けられていたのだが… 1週目となる世界線ではしのぶがいなくなった所でいじめにあい自殺してしまう。 そんな彼女の運命を変える為に精神を世界線の流れに身を任せ可能性のある存在に託すしかなかったことを夢で知る偲。 ターニングポイントは来た。 だが偲はそんなのとは関係なく 自分を助けてもらった恩人を自分も助けるように口を開いた。 「そんなこと…?お母さんが家事してることも…お父さんが働いていることも『そんなことなの?』 違う!お母さんはあんたたちの生活を『愛があるから』支えてるの! お父さんはそんなあなたたちを『愛があるから』支えてるの!」 「…紗々美ちゃんだってそう!私のために『愛があるから』…! 一緒についてきてくれたの 『野下偲』のことを何と言おうが構わないけど… 『しのぶちゃんを愛してる紗々美ちゃんを』…私の大切な幼なじみを…誰一人とて『絶対に』悪く言うことは… …俺が…『しのぶ』が…絶対に許さない…!」 と、クラス中に聞こえるように啖呵を切ったのだった。 そして、彼女は守られ事なきを得たのだが しのぶが病弱なことには変わらなかった。 その夜、彼女の体から熱が出てしまう しのぶの両親が心配をするのを肌で感じながら いつでも彼女が戻ってきてもいいように 体をできる範囲で鍛えることを静かに誓うのだった。 時を同じくしてそんな啖呵に恋心を抱く少女もまた、出来てしまう。 白河 灯(しらかわあかり)という同じクラスの子だ。 彼女はしのぶの事情など知る由もなかったのだが とある朝、告白をされてしまう。 その告白を受けた上で友達になることを選択した偲だったが 彼には考えがあった。 しのぶの人生を充実させてやりたかったから 友達を作ることにしたのだ。 その間に米袋をびっしゃあああしたり 変装してウエハースを買いに行ったりなんかもありつつ 過ごしていたある日 しのぶの様子がいつもと違っていた。 …最近のしのぶからは見られない どこか自信なさげな雰囲気を紗々美は感じた …その予感は当たることになる。 帰ってくることが出来たのだ。 だが、彼女の精神は数多の世界線を漂った影響で酷く衰弱しており、回復を余儀なくされていた 「私は……紗々美ちゃんを守りたかった」 衰弱した精神で途切れながらも伝える 「私を……?守りたかった?……どういうことなの?」 「……ううん、もう……知らなくていいの ……私も強くなる 偲くんは……遠い世界だけど確かに『私』なの ……だから、私はちゃんと居るから……心配しないでね」 そんな 少女の祈りにも似た想いに触れ 『ああ……君の想いは……願いは……俺が引き継ぐ 心配しなくていい』 偲は 少女の代わりに生きることにしたのだった。 これは大事なものの為に戦う少女と その少女の代わりに生きることになった男の物語……

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カクヨム2026/09/03
  • 現在の作品少女の代わりに生きること