あらすじ
酒で死んだ三十九歳の営業マン・榊真琴が転生したのは、魔力酒〈星蜜〉が魔法を支える世界だった。
他人の毒や呪いを自分へ移して燃やす〈万能浄化〉を授かり、勇者マコトは人を救うほど力と万能感に酔っていく。ついには祝勝会で三百十二人の感情まで「浄化」し、王立断魔院へ収容された。
手は震え、壁は這い、夜には前世の自分が缶を片手に見舞いに来る。
入院六日目、王都地下の大貯槽が決壊寸前となる。八万人を救えるのは彼だけ。国は、最も欲しくて、最も飲んではいけない一杯を差し出した。
誰かを救うことと、自分を壊すことは、本当に同じなのか。
苦くて少し可笑しい、異世界回復譚。