あらすじ
「サービス終了まで、あと四十七秒。」
十二年を病室で過ごした青年が、命の最後に挑むのは、愛したソーシャルゲームの全世界一位決定戦。入院費のかかる彼が完凸できたのは、門番ノノたちN・Rの低レア戦姫六人だけだった。
六体登録・四体選出、四×四の戦盤、速度順の手番、天候、領域、伏せ技、割込――すべてを読み切る彼にとって、レアリティ差は敗北を意味しない。控え二人で敵の選出を誘導し、弱い治療領域の失敗さえ力として蓄え、限定UR軍団が完成させた最強陣地そのものを砲身に変える。六人全員の役割で世界最終一位を奪った彼は、「次があるなら、またお前たちを選ぶ」と告げ、サービス終了と同時に命を終えた。
そして異世界の少年アレンとして育った十七歳の《照合式》で、前世の記憶が戻る。あのゲームは作り物ではなく、この世界で生きる戦姫本人へ命令を届ける遠隔指揮回線だった。サ終で消えたのは彼女たちではなく、彼の声だけ。《完凸》によって魂の《主契約》を結んだ低レア六人は、強さも戦傷も記憶もそのままに、十七年間、彼との再接続を待ち続けていた。
より高星格の戦姫を選べる権利と引き換えに、アレンは迷わず六人全員と再契約する。素の能力では上位に劣る。だが低レアの弱さまで勝ち筋へ変える最高峰の指揮と、十二年かけて完成した六人の連携があれば、現地の強者にも負けはしない。
ただし、問題が一つ。
最初に完凸されたノノ。最終撃破数一位のヴェラ。初手指示回数一位のセラ。敗戦後に最も話しかけられたミュウ。海戦選出率九十九・二パーセントのマレ。深夜の編成時間一位のルカ。
十二年分の別々の記録を証拠に、六人全員が「自分こそマスターの最推し」だと本気で信じていた。しかも最初の低位戦に出せるのは、たった二人――。
低レア完凸×超本格戦術バトル×十七年越しの再会。最低レアの弱さを誰より知る指揮官が、最強パーティを再結成し、最推しの座を争う戦姫全員に愛される物語。