あらすじ
伯爵令嬢クラリッサ・エーヴェルトには、三年前から婚約している相手がいた。
相手は名門バルツァー侯爵家の嫡男、ジェラルド。家格では相手が上だからこそ、クラリッサはいつか侯爵夫人となる日に備え、三年間努力を重ねてきた。恋から始まった関係ではなかったものの、二人の仲は穏やかで、このまま夫婦になるのだと思っていた。
ところが十八歳になったある日、ジェラルドから突然婚約解消を告げられる。理由は、他に結婚したい女性ができたから。
三年間を簡単に手放したジェラルドに、クラリッサは婚約解消を受け入れる。
それで二人の関係は終わるはずだった。
けれど、三年間続いた婚約は、二人が別れただけですべてが終わるほど単純なものではなかった。