あらすじ
禁煙法に続き、ついに禁酒法まで成立した日本。
煙草は禁止。酒も禁止。
居酒屋は「居食屋」に、バーは「夜間会話施設」に、ソムリエは「葡萄液助言士」になった。
国民は健康になった。
少なくとも、政府発表では。
そんな健康国家で、一本の煙草と一本のウイスキーを隠し持っていた、ごく普通の男。
ただそれだけだった。
ところが密造酒場への摘発をきっかけに、彼はいつの間にか「最後の酒飲み」「最後の喫煙者」、そして国家の健康政策に抵抗する危険人物として全国的な有名人になってしまう。
警察が追う。健康推進員も追う。マスコミは実況する。専門家は勝手に分析する。政治家は対策本部を作る。
本人の希望はただ一つ。
「俺の身体くらい、俺の好きにさせてくれ」
健康とは何か。自由とは何か。
そして国家は、国民をどこまで「正しく」していいのか。
酒と煙草をめぐって日本中が大騒ぎする、近未来ドタバタ社会風刺SF。