あらすじ
暗記だけが取り柄の学年トップが、史実の戦略を武器に「戦わずに戦争を終わらせる」異世界戦記。相棒は、人の心の声が聴こえてしまう親友。
「歴史なんて、何の役に立つの?」
久世遥、十八歳。成績は学年トップ、記憶力も応用力も抜群。ただし人付き合いは苦手で、自分の意見に価値があるとは思っていない。彼女にとって世界史は、結末まで読み終えたファンタジーの設定資料集だった。
図書室で見つけた奇妙な地図帳の、国境の点線をなぞった瞬間――遥は戦乱の異世界に立っていた。
燃える橋。敗走する軍。取り残された七百八十一人。
これ、教科書で読んだやつだ。
とっさに口にした「昔の話」が、目の前の人々を救ってしまう。以来、若き将軍に睨まれ、正体を隠した王太子に気に入られ、気づけば「軍師どの」と呼ばれる羽目に。聞いてません!
本作の見どころは三つ。
一、史実ベースの知略戦。桶狭間、ハンニバル、孫子――そのまま当てはめるのではなく、原理をばらして使う戦い方。
二、ダブルヒロイン。事実だけが視える久世遥と、心だけが聴こえる陽向夏帆。同じ高校の三年生。前者は口下手で人に頼れない優等生、後者は誰とでも打ち解けるムードメーカー。互いに視えないものを補い合う二人の関係。
三、「勝つ」より「終わらせる」。敵を殲滅するのではなく、敵が自分から撤退を選べる状況を作る、平和の設計としての軍師もの。
本作は小説家になろう/カクヨムに重複投稿しています。