あらすじ
「世界一の魔導士」――そう呼ばれる十八歳の神官長キースは、実は神殿の外をほとんど知らない。
ある日、白髪に深紅の瞳を持つ精霊ローゼンが彼を訪ねてくる。
世界各地で〈混沌〉が拡大し、大地そのものが消え始めている。
最大の異常地点《アムドアの大穴》を調査するため、二人は世界へ旅立つ。
だが、そこで見つかったのは、同時には成立しないはずの三つの歴史だった。
――アムドアは事故で消滅した都市である。
――アムドアは古代から存在する穴を監視する都市である。
――アムドアという都市は、そもそも存在しなかった。
しかも、どの記録も正式で、どれも偽物ではない。
やがてキース自身にも、自分ではない男の記憶が蘇り始める。
世界が間違っているのか。
記録が間違っているのか。
それとも「過去は一つしかない」という常識そのものが間違っているのか。
世界崩壊を追う王道ファンタジーから始まり、
神話、記憶、転生、そして「自分は何者なのか」へ踏み込んでいく長編幻想譚。
過去を受け継ぐことと、過去に支配されることは違う。
これは、自分の名前を自分で選び直す者たちの物語。
※公式サイト先行公開、小説家になろう平行連載