あらすじ
娘は齢十と二十の真ん中あたり。社交界へのお披露目には至らない。その彼女が見目麗しき従兄に連れられて参加したウェディングパーティでの出来事である。
出会った青年は花婿の弟。彼は花嫁と気持ちが通じ合っている言って譲らない。意思を確かめたことはない、ただ事実、彼らは共に想いあっているのだ。家同士のしがらみ故に表に出せずに苦しんでいるのだと。
滞りなく式次第は進み、娘の目にはすべての人間が幸せに映る(花嫁も含み。芝居であろうが青年すらも)。違和を覚えながらも場をひっくり返すこともできずにパーティは閉じる。そして、十年程が過ぎ……