あらすじ
二十七歳の蓮は、久しぶりに実家の自室を片づけていた。
卒業文集に挟まれていた一枚の写真から思い出したのは、小学六年生の春。
転校を控えた同級生・千夏から、三つ葉のクローバーを挟んだしおりをもらった日のことだった。
「ちゃんと読んで」
そう言われたものの、蓮には何を読めばいいのか分からない。
翌日、蓮は千夏のために四つ葉のクローバーを探し、「こっちのほうがいいだろ」と彼女に渡した。
それから十五年。
古い辞典から、あの日の三つ葉が落ちてくる。
けれど二十七歳になった蓮にも、しおりに込められた意味はまだ分からなかった。
十五年前、千夏は何を「ちゃんと読んで」ほしかったのか。
三つ葉のクローバーに隠されていた、小さな恋の話。