あらすじ
魔王を単身で倒した大魔法使い、フリーデリケ・ヴァイス。
その褒賞として王家から王子との婚約を迫られた彼女は、はっきりと断った。
「わたしは、女の子が好きなので」
戦争が終わっても、王家は最強の魔法使いを手放そうとしなかった。反逆者として死刑を命じられたフリーデリケは、王都から逃げ出し、偽名の「フリーダ」を名乗る。
辿り着いた水車の町で出会ったのは、小柄な修繕士ロッテだった。
魔王城を消し飛ばした《星落とし》を使えるほどの力がありながら、フリーデは水車の軸も、橋のひびも、壊さずに直す繊細な魔法が使えない。対してロッテは、細い魔力の糸で、残ったものを見極めながら壊れた暮らしをつなぎ直していく。
水車、荷車、時計塔、橋、畑、結界。
二人は各地に残る戦争の傷を直しながら旅をすることになる。けれど《落星の魔女》を追う手配書は町から町へ届き、王都は今も彼女を「危険な兵器」として取り戻そうとしていた。
世界を救ったあとで、フリーデは初めて知る。
壊れたもののすべてを元通りにはできないこと。
それでも、誰かと一緒に生きるための道は、少しずつつくれることを。
役に立つから隣にいるのではなく、一緒にいたいから隣にいる。
最強魔女と修繕士が、自分たちの居場所をつくっていく戦後復興ファンタジー