あらすじ

憂起ちゃんは、物静かな幽霊のお姉さんだ。 あまり喋らない。 感情を表に出さない。 いつも店の片隅にいて、気がつけばいなくなっている。 パンデモニウムのクルーたちも、だいたいそう思っている。 間違ってはいない。 ただし、それは「誰かに見られている時」の憂起ちゃんだ。 誰にも見つからなくなった途端、彼女は壁を抜け、天井を抜け、知らない扉の向こうへ入り、海の底でも死んだ街でも、世界の果てでも勝手に遊び始める。 鍵はいらない。 息もしなくていい。 道がなければ壁を抜ければいい。 帰れなくなったら……まあ、その時に考える。 そして誰にも見つからないまま大冒険を終えた彼女は、何食わぬ顔で店の壁際へ戻ってくる。 「……今日は、特には」 これは、死んだことで誰より自由になったのに、人前ではうまく喋れない幽霊のお姉さんが、誰にも観測されない場所で世界を満喫する物語。 ただし、ときどき。 憂起ちゃん自身にも覚えのない怪奇現象が、彼女の通ったあとに残っている。

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小説を読もう2026/09/02
  • 現在の作品このバーガーを食べても、私はここにいない。 〜万魔殿(ぱんでむ)の幽霊クルー、本日も誰にも見つからず世界を歩いています〜