あらすじ

犬、猫、スライム。この世界のペット三巨頭だ。 スライムは埃も髪の毛も食べてくれる。放しておけば部屋は片付く。そして何より安全だ。生きているものには反応しないから、赤ん坊の寝ている部屋にも置いておける。 死んだものしか、食べられないのだ。 ただし、ルールがひとつある。 ひとつながりの死体を食わせてはいけない。取り込んだスライムは二つに分離し、片方が食べ続ける。食べ終えたとき、それは食べたものの姿をしている。 そして、その種を殺せるようになる。 殺してしまえば、それは死んだものになる。掟は破られていない。 几帳面な男が、妻を四つに分けて路地裏に捨てた。四つに分ければ、もう一人ではない――彼はそう計算した。 スライムは、そう解釈しなかった。 三日目の夜、四つの塊は互いを見つけて、一つになった。 そして、自分の家に帰った。 カラスは巣に戻るだけだ。人間は、扉を開けてもらえる。 これは、人類が静かに置き換わっていった記録である。 ――記録は、誰かが書かなければ残らない。

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カクヨム
カクヨム2026/09/02
  • 現在の作品スライム・パンデミック