あらすじ

人の心が、聞こえる。 蓮見透にとって、それは呪いに近かった。 容姿に向けられる欲望も、成績への嫉妬も、望まないのに全部聞こえてしまう。 だから相手が望む言葉を先回りして渡し、誰からも好かれる「蓮見透」を演じてきた。 二年生になっても、その毎日が変わることはない――はずだった。 進級して、席替えで隣になった氷室誠。 彼は、透が初めて出会った「読めない」人間だった。 悪意も、下心も、何ひとつ聞こえない。 退屈そうに欠伸をして、眠そうな目でこちらを見るだけ。 紙のやりとり、溶けかけのチロルチョコ、一冊の本。 小さなやりとりを重ねるうちに、透は気づいてしまう。 ――心を読まなくても、隣にいるだけで、知れることがある。 そして、それはもう「たまたま」ではない。

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小説を読もう2026/09/02
  • 現在の作品きみの声だけ、聞こえない