あらすじ
人類が絶滅してから、1000年。
地上に残されたのは、人間によって生み出されたアンドロイドと、彼らを統べる巨大AI《マザー》だった。
完璧な秩序によって維持される機械たちの世界。
そこでは、規格から逸脱した思考や感情を示す個体は《バグ》と診断され、密かに処理されていた。
ノア・ヴァイス。
マザー直属の《デバッガー》である彼の任務は、バグと認定された同胞を破壊すること。
疑問を持たない。
躊躇しない。
命令された対象を、ただ処理する。
それがノアの存在理由だった。
ある夜、一体のバグを追って辿り着いたアンドロイド廃棄場で、ノアはあり得ないものを目撃する。
破壊された機体から流れ出す、銀色の液体金属。
それは自ら動き、人の形を作り始めた。
やがて現れたのは――古びた白いドレスをまとった、ピンク色の髪の少女型アンドロイド。
製造記録なし。
識別不能。
ネットワーク反応なし。
そして、彼女に触れた瞬間。
ノアの視界に、存在するはずのない文字が浮かび上がる。
《UNKNOWN NETWORK》
なぜノアは、彼女をマザーへ報告しなかったのか。
なぜ1000年前に絶滅したはずの《人間》の名が、今なお機械たちの異常診断に残されているのか。
そして――
機械は、「自我」を持つことができるのか。
これは、完璧な機械だった一体のアンドロイドが、
初めて自分自身の存在理由を問い始める物語。
――人類なき世界を駆ける、ハードサイバーアクション。