あらすじ

旅が好きだった青年、白石彼方。 知らない場所へ行き、知らない景色を眺め、知らない道を歩く。 そんな何気ない旅を楽しんでいた彼方は、大学卒業を間近に控えたある日、不思議な羽根を手にする。 そしてその夜――彼は、見知らぬ森の中で目を覚ました。 そこは、魔法が存在し、人間だけでなくエルフや獣人など様々な種族が暮らす異世界だった。 帰る方法も分からない。 自分がなぜこの世界へ来たのかも分からない。 それでも、持ち前の冒険の心得を頼りに森を抜けた彼方は、一つの街へ辿り着く。 そこで出会ったのが、伝書人の少女――リーゼ・アルヴァリア。 手紙や荷物を預かり、魔物の潜む街道を越えて、人々のもとへ届ける。 そんなこの世界独自の仕事、「伝書人」という存在を彼方は知る。 そして彼方自身にも、不思議な力が目覚めていた。 手紙に触れることで、その手紙に込められた「想い」を感じ取る力――《想読》。 戦う力も、世界を救うような特別な力も持たない彼方。 それでも彼には、誰かの想いを受け取り、それを届けることができる。 こうして彼方は、リーゼとともに伝書人として旅を始める。 父親を待ち続ける少年。 遠く離れた恋人へ手紙を書く少女。 亡くなった家族へ想いを伝えようとする人。 もう二度と会えない誰かへ、最後の言葉を残す人。 一通の手紙には、一人の人生が詰まっている。 彼方たちは様々な手紙を届けながら、多くの人々と出会い、別れ、そして少しずつ互いの距離を縮めていく。 しかし、旅を続ける彼方たちの前に、やがて奇妙な手紙が現れる。 差出人も、宛先も分からない。 ただ一つ―― その手紙には、白い封蝋が施されていた。 それは、何百年も前から存在する「届かなかった手紙」と繋がっていた。 そして、その謎を追う先で明らかになる、失踪した伝書人。 初代伝書人が残した伝説。 過去に世界を変えた、一通の手紙。 そして―― 「最後の一通」 とは何なのか。 これは、世界を救う勇者の物語ではない。 特別な力で全てを解決する英雄の物語でもない。 ただ誰かの想いを預かり、誰かのもとへ届ける。 そのために、今日も二人は旅をする。 山を越え、森を抜け、時には魔物と戦いながら。 まだ見ぬ誰かのもとへ。 まだ見ぬ想いを届けるために。 ――伝書人は今日も旅をする。

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小説を読もう2026/09/02
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