あらすじ

五年前の《大覚醒》以来、人類は眠る能力を失った。 眠れないのに、人は死なない。ただ世界のすべての「夢」が、一人の少女——夢織(ゆめおり)にだけ集約されるようになった。彼女は毎夜、七十七億人分の夢を代わりに見る。歯医者に遅刻する夢も、空を飛ぶ夢も、死んだ母と食卓を囲む夢も。 夢編集師・透(とおる)の仕事は、夢織の精神を壊しかねない「悪夢」を、彼女が目覚める前に切り落とすこと。世界でただ一人、彼女の眠りに立ち会える男だ。 静かで、穏やかで、どこか壊れかけた日々。 だがある夜、夢の中で少女は言った。 「透さん。昨日、夢の中で、知らない男の人と話したの」 ——眠れるのは世界で一人のはずだ。 では彼女と言葉を交わした"もう一人の夢見る者"は、いったい誰なのか。 これは、眠りを失った世界の果てで、ぼくがひとつの嘘を編集しはじめる物語。

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小説を読もう2026/09/02
  • 現在の作品全人類が眠れなくなった世界で、ぼくは少女の夢を編集する