あらすじ

街の外れ、行き場をなくした獣人たちが集まる地区。 そこに暮らす大型犬の獣人、ガルドは、誰とも関わらず、酒と煙草と喧嘩ばかりの日々を送っていた。 ある雨の日、そんな彼の部屋の前に、びしょ濡れの人間の少女が座っていた。 「入れ。風邪ひいて廊下で死なれたら寝覚め悪ぃんだよ」 口は悪い。 愛想もない。 優しいと言えば、本気で怒る。 それでもガルドは少女にタオルを投げ、甘い紅茶を淹れ、家へ帰れないという彼女の話を聞く。 かつてガルドには、「主人」がいた。 首輪をつけ、命令に従い、主人を守ることだけを生きる意味にしていた時代。 けれど主人を失い、「自由に生きろ」と残されたガルドには、その自由の使い方が分からなかった。 守る相手も、命令も、役目もない。 そんな彼の前に現れた、ひとりの家出少女。 これは、飼われることでしか自分の役目を知らなかった獣人が、誰にも命令されず、自分の意思で誰かを守ることを覚えていく物語。 「飼い犬じゃねえ」 そう吐き捨てる彼が、本当の意味で首輪を外すまでの話。

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カクヨム
カクヨム2026/09/02
  • 現在の作品『飼い犬じゃねえ』