あらすじ

夜、コンビニからの帰り。住宅街の道を歩いているときだった。人影はなく、辺りの家の窓はほとんど明かりが点いておらず、すっかり寝静まっているようだった。 ふと横道へ目をやった、その瞬間だった。電柱の陰で何かが動いたような気がして、おれは思わず足を止めた。 家を出る前、母親が「最近、この辺で不審者が出るらしいよ。気をつけてね」なんて、いつものお節介を焼いていたのをふと思い出し、何気なく視線を向けただけだったのだが、まさか……。 おれは背中を丸め、じっと目を凝らした。すると、電柱の向こうにコートの裾らしきものが見えた。夜風に煽られているのか、あるいはそこに潜んでいる者が身じろぎしたのか、布の端がひらりと揺れた。 次いで、電柱に括りつけられた古びた看板が目に入った。『不審者に注意』――錆びの浮いた白地にそう書かれている。まさに、といったところだ。 おれは警戒しながら、じりっと一歩だけ電柱に近づいた。

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小説を読もう2026/09/02
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