あらすじ
この世界では、十歳で魔力を測られる。
針が振れた幅で、就ける仕事が決まる。縁談が決まる。門で見せる番号が決まる。
数値が、その人間そのものとして通っている。
俺の針は、動かなかった。
それでも冒険者になった。なったはいいが、弱い。
薬草の採取で迷子になる。一番浅い階層の雑魚一匹に半日かかる。宿代も払えない。
ただ、俺には魔法が効かない。
だから宿代のかわりに、勝ち目のない決闘を代わりに引き受けた。
相手は名の知れた魔法使いだった。
勝ってしまった。
弱い魔物には勝てないのに、強い魔法使いには勝ってしまう。
そんな噂が街に広がって、俺の名前は少しずつ大きくなって、そのせいで、姉が連れていかれた。