あらすじ
「一緒に学校行こ!」
高校一年生の頃、同級生からいじめを受けた慎二は、次第に学校へ通えなくなった。
誰とも関わらず、誰にも傷つけられず、自室でアニメだけを見て過ごす。
学校へ行けない自分を惨めだと認めないために、慎二は「ガチ陰キャを極めることこそ、俺の望んだ生き方だ」と自分へ言い聞かせていた。
高校二年生になっても登校できず、新しいクラスにさえ興味を持てない。
そんな慎二の家へ、ある日突然、金髪ウルフヘアの陽キャギャル――七門彩芽がやって来る。
「今日から同じクラスになった七門彩芽! よろしく!」
担任から頼まれたプリントを届けに来ただけのはずが、彩芽は翌日も、その翌日も慎二の前へ現れる。
「あたし、慎っちと友達になりたいんだ」
遠慮なく距離を縮めてくる彩芽に、慎二は何度も戸惑い、拒絶する。
外の世界は楽しい。
学校へ来れば何かが変わる。
慎二の過去を知らずに並べられる綺麗事は、これまで何度も彼を傷つけてきたからだ。
けれど彩芽は、間違えればきちんと謝り、無理に手を引くのではなく、慎二が自分から一歩を踏み出すまで隣で待ってくれた。
彩芽に連れ出され、初めてクラスメイトと言葉を交わし、名前を呼ばれる。
閉ざされていた慎二の世界は、少しずつ外へつながり始める。
「もし、あたしと慎っちが本当の友達になれたらさ。こうやって、またもう一度この空を見上げようよ」
学校へ戻るのは怖い。
過去の傷も、消えたわけではない。
それでも、家まで迎えに来てくれる彼女と一緒なら、もう一度だけ青春を信じられるかもしれない。
やがて慎二は、誰より明るい彩芽が時折見せる、どこか寂しそうな表情にも惹かれていき――。
これは、青春を諦めた不登校の少年と、そんな彼の青春を諦めてくれない陽キャギャルが、友達から始める恋物語。
ゆっくりと傷を乗り越え、失った青春を二人で取り戻していく、不器用で眩しい青春再生ラブコメ。