あらすじ
この国の一番の娯楽は、酒場の『遠見鏡』だ。人気冒険者の狩りが生で映って、客は酒を片手に賭けをする。
俺は映る側じゃない、四十手前のソロ冒険者。手堅い依頼を二十年。……のはずだった。
最初は、新人パーティの護衛で隅にちょっと映ったくらいだった。ワイバーンの群れを追い払って、それきり忘れてた。
ところが常連客が俺に気づいた。「おい、また例の男が映ってるぞ」「今日は北の狩り場だ」
気づけば賭け札に『大穴』の枠ができていた。倍率は上がったり下がったり、興行主は頭を抱え、「あれは仕込みだろう」と疑う客まで出る始末。
言っとくが、俺はいつも通り、通いで仕事をしてるだけなんだが。