あらすじ
四十二歳、独り身の門番騎士。「若いのを入れるから」と城をクビになった。
退職金代わりにもらった山小屋で暮らし始めた冬、嵐の晩に岩陰で大きな卵を拾った。温めたら、割れた。出てきたのは、手のひらに乗る竜の子。俺を見上げて、親だと決めたらしい。
それから毎日、飯を作って、寝かしつけて、飛ぶ練習に付き合っている。
知らなかったんだが、竜の世界には掟がある。「雛の親は、群れで一番偉い」。気づけば山の上に古竜たちが挨拶に並び、国からは「どうか竜との取り次ぎ役に」と頭を下げられた。俺をクビにした城の連中は、顔を真っ青にして詫びに来た。
悪いが、あとにしてくれ。うちの子が今日、初めて空を飛ぶんだ。