あらすじ
「今回は、寄付金を出しません。そう、1シルヴァコインすら」
慈善を嫌い、聖女を嫌い、誰にも笑顔を見せない――。
伯爵令嬢フィーネ・ラグランジュは、王都でそんな「悪徳令嬢」として知られていた。
一方、隣国フェンリシアからやってきた第一王女ユーフェミアは、赤金色の狐耳を持つ次期女王。無愛想で口数も少ない彼女には、一つだけ譲れない信条があった。
噂ではなく、自分の目で見たものを信じること。
だからこそユーフェミアは気づいてしまう。
冷酷と噂されるフィーネの行動が、どうにも噂と噛み合わないことに。
夜ごと王都を抜け出す令嬢。
各地で弱まり始めた地脈。
女王が起こす「奇跡」。
そして、三か月後に迫る国を挙げての大祭典。
「私に関わらない方がよろしいですよ」
そう告げるフィーネに、ユーフェミアは答える。
「断る」
他人を遠ざける嫌われ令嬢と、噂を信じないクーデレ王女。
最悪の出会いから始まった二人は、やがて王国に隠された大きな謎へと足を踏み入れていく。
これは、自分のことを誰かに決められてきた少女と、何を信じるかを自分で決める王女の物語。