あらすじ
「あの時、俺たちなんで別れたんだっけ」
親友の結婚式、勢いで受け取ってしまったブーケ。
顔を上げた先にいたのは──五年前、自分から別れを告げた元カレ。
芦田陸。今は一級建築士として活躍している、あの頃と変わらない人。
「唯、変わらないな。まだそうやって、周りのこと気にしてるような顔してる」
本当は、彼の夢の邪魔になりたくないなんて、言い訳だった。
ただ、「ついていく勇気がなかった」だけ。
誰にも言えない本音を抱えたまま、
私はずっと、誰かの顔色ばかり窺って生きてきた。
再会をきっかけに、少しずつ縮まっていく距離。
「唯にだけは、なんか、見つかる気がしてた」
不器用なくせに、まっすぐな彼の言葉に、
凍りついていた五年間が、少しずつ溶けていく。
「……ずっと、こうしたかった」
それでも、二人の前には、新しい選択が待っていて──。
逃げてばかりだった二人が、それぞれの弱さと向き合い、
もう一度、お互いを選び直すまでの物語。
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一途で不器用な建築士
芦田陸(26)
×
周りに流されがちなアパレル店員
早坂唯(26)