あらすじ

築五十年の団地が、来年の春に取り壊される。 管理会社の深津は、退去手続きに追われている。そこへ、二十年前にこの団地で弟を亡くした女が現れた。当時の記録はもう残っていない。住民は誰も、あの日のことを話さない。 やがて停電の夜、彼女は七号棟から落ちて死ぬ。 会社が求めたのは、経緯をまとめた一枚の報告書だった。聞き取りに応じた七人は、それぞれ違う「その場にいたもう一人」を語る。窓の外に立っていた人。階段室の巨大な影。上から下りてくる足音。誰も嘘をついていない。それでも、話は合わない。 ——すべてに説明がつく物語である。ついたあとに、何が残るか。

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小説を読もう2026/09/01
  • 現在の作品第七号棟の夜