あらすじ
五年前、街の中心にある研究施設で大規模な爆発事故が起きた。
その日、一人の少女が消えた。
白石玲奈。
死体は見つからなかった。
それでも彼女は死亡したものとして扱われ、誰もが彼女の死を受け入れていった。
――ただ一人、黒崎湊を除いて。
当時十一歳だった湊は、事故の直後から三時間分の記憶を失っていた。
そして五年後。
高校生になった湊は、かつての事故現場で奇妙な金属片を見つける。
それに触れた瞬間、彼の特殊な力が発動した。
触れた物に残された「感情」を読み取る力。
これまで感情しか読み取れなかったはずの能力が、その日だけは違った。
見えたのは――泣いている玲奈の姿。
そして彼女は、生きていた。
「……玲奈は、あの事故で死んだんじゃない?」
その直後、湊の前に現れた謎の男。
渡された一枚の紙には、こう書かれていた。
『探すなら、死んだことにされている人間を探せ』
五年前の事故。
消えた三時間。
謎の研究施設。
そして、どこかに存在する玲奈の痕跡。
すべての謎を追ううちに、湊は自分の能力に隠された本当の意味を知っていく。
それは過去を見るための力ではない。
――失われたものを、この世界へ呼び戻す力。
果たして湊は、五年前に消えた玲奈を見つけることができるのか。
そして、彼女が消えたあの日。
二人の間に何があったのか。
これは、五年前に止まった二人の時間を、もう一度動かす物語。