あらすじ

王都の夜会で、わたくしは婚約を破棄されました。理由は「その手を見ろ」。蜂に刺された痕だらけの手が、侯爵家の恥だと。 「我が領の果樹園に据えられた箱は、すべて焼き払う」 「では、持ち帰る許可をいただけませんか」 「持っていけ。一匹残らずだ」 ――承知いたしました。一匹残らず、でございますね。 その夜のうちに、四十二の巣箱を運び出しました。 花は、それだけでは実になりません。運ぶものが要るのです。けれどあの方は三年間、一度も果樹園に足を運ばず、木は勝手に実るものだと信じておいででした。 やがて訪ねてきたのは、十年も果樹が実らぬ北の辺境伯。「木ではなく、土でもなく、虫が」——わたくしの言葉を、手帳に書き留めてくださる方でした。 北の丘に緑の粒が実る頃、南の果樹園は花だけを咲かせて秋を迎えます。 異世界養蜂ざまぁ・一話完結。ヒロインの武器は特殊能力ではなく、百年ぶんの帳面です。

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小説を読もう2026/09/01
  • 現在の作品婚約破棄されたので、蜂も連れて出ていきます 〜蜂のいない果樹園に、実がなるとお思いで?〜