あらすじ
生まれてから二百年間――敗北を知らなかった。
魔王すら恐れ、魔族はもちろん、人間の英雄たちさえも彼の前にひれ伏した。
その名は、天龍王
最強の種族・竜族の頂点に立ち、数え切れない戦場を支配した存在。
だが、あまりにも強すぎた。
戦えば勝つ。
挑まれても勝つ。
どんな強敵が現れても、結末は変わらない。
「……つまらん」
敵はいなくなり、世界は平和になった。
あまりの暇さに耐えられなくなったドラゴン王は、誰にも知られていない山奥の洞窟で眠ることにした。
少しだけ眠れば、また面白い時代になっているかもしれない。
――そう思って。
そして。
目を覚ました。
「……どれくらい寝ていた?」
外へ出たドラゴン王は、そこで信じられない光景を目にする。
自分が眠っていたのは、たった数日でも、数年でもなかった。
千年。
気がつけば、千年もの時が流れていた。
かつて彼が支配した竜族は姿を消し、魔王は伝説となり、人間たちはかつてとは比べ物にならないほど文明を発展させていた。
さらに、自分自身も――。
「ドラゴン王? ああ、昔話に出てくるあの?」
「……昔話?」
千年前、世界を支配した最強の存在は、いつの間にか“子供向けの伝説”になっていた。
しかも、伝説の中のドラゴン王は本人とはまったく違う人物として語り継がれていて――!?
失われた竜族。
変わり果てた世界。
そして、千年の間に生まれた新たな強者たち。
かつて最強だったドラゴン王は、再びこの世界を歩き始める。
――今度こそ、退屈しない人生を送るために。
千年間眠っていただけなのに、世界が変わりすぎていた!?
生まれて二百年、負け知らず。
眠って起きれば、伝説扱い。
最強すぎるドラゴン王による、千年後の異世界ぶらり旅が今、始まる。