あらすじ

俺は、日本で特殊工作員として生きていた。 名前を変え。 顔を変え。 人を騙し。 必要なら、殺した。 国家すら俺の存在を認めない。 そんな仕事だった。 ある日の任務中。 襲撃対象の男の娘が、車に轢かれそうになった。 助ける理由はなかった。 むしろ。 助けてはいけなかった。 それなのに。 気づけば俺は、少女を抱えて道路を転がっていた。 少女は助かった。 俺の正体はバレた。 捕まり。 拷問を受け。 そして、死んだ。 なぜ助けたのか。 今でも分からない。 ただ。 最後くらい――人間になりたかったのかもしれない。 次に目を覚ました時。 俺は、剣と魔法の世界へ転生していた。 新しい名前は、レオン。 今度こそ。 普通に生きられると思っていた。 だが。 生後間もなく。 両親を帝国兵に殺された。 残された俺を拾い、育ててくれたのは。 ガロンという、一人の剣士だった。 剣を教わった。 魔法を覚えた。 家族を知った。 仲間ができた。 そして、二十七歳になった今。 俺は再び。 前世とよく似た仕事をしている。 帝国軍北部魔導研究所。 偽名――ルドルフ・ベルン。 剣術評価、最低。 魔法評価、最低。 功績なし。 掃除。 荷物運び。 倉庫整理。 買い出し。 そして、上官の軍靴磨き。 帝国一の“無能兵”。 そう呼ばれながら。 俺は三年間、帝国の内部へ潜り続けた。 目的は一つ。 帝国が密かに使用している禁止毒――〈灰の雨〉。 その証拠を盗み出すため。 三年間。 笑われた。 罵られた。 時には殴られた。 全部。 必要な仕事だった。 誰も警戒しない。 誰も疑わない。 誰も知らない。 無能な雑用係が。 自分たちの会話を、一言一句記憶していることを。 そして。 ルドルフ・ベルンという男が。 最初から存在しないことを。 今夜。 三年間の潜入が終わる。 帝国最高機密を盗み。 一人の大回復魔道士を救い。 俺は、仲間たちのもとへ帰る。 そしてその日から。 巨大帝国への反撃が始まる。 これは。 一度目の人生で人間であることを捨てた男が。 二度目の人生で家族と仲間を得て。 抗う者たちと共に。 一つの帝国へ戦いを挑む物語。

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カクヨム
カクヨム2026/09/01
  • 現在の作品レジスタンス・アライズ ~帝国一の“無能兵”を三年間演じた元特殊工作員、帝国最高の大回復魔道士を救って反撃を始める~