あらすじ
二度の不漁を押しつけられ、共同干場から名を消された海女ブロンウェン。採取量は従姉の手柄、不良品だけは彼女の責任――そんな扱いにも慣れ、次の追放に備えた荷造りまで五項目で数えていた。
そこへ無口な沿岸子爵ガレスが、独立区画で三度の乾燥検査を持ちかける。六束、十八束と失敗しても、彼の指はなぜか彼女の名入り木杭を不合格籠へ落とさない。
最後の籠三杯。潮と風、葉の厚みを読み分けた四十八束は、奪われた名を取り戻せるのか。そして検査後も木杭を握って離さない子爵に、ブロンウェンが今後の行き先を問い直すお話。